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創意工夫が盛りだくさん。多くのアイディアが凝縮されたスタジオ

清水玲邸プライベートスタジオ

 

photo_06ベーシスト、コンポーザー、アレンジャーとして多方面で活躍されている清水玲さんが、自宅新築を機に本格的なレコーディング・パーソナルスタジオを計画しました。
清水さんは非常に研究熱心でいろいろな要望、アイディアを持っている方でした。当社もそれに応えるべく、長年培ってきたスタジオづくりのノウハウを惜しみなく注ぎ込み、施主と意気投合して創意工夫にあふれた音響空間に仕上げました。

 

1. 木造でも高い遮音性能を確保

 

photo_09清水玲さんがスタジオを計画するにあたり、多くの同業他社から
・木造で電子楽器系(エレキベース、ドラム)の防音は極めて困難
・防音層の厚さを確保するためには面積が足りない
・予算が大幅にオーバーする
などと言われた中、当社だけが予算内で十分な遮音性能を確保できるとお答えできたそうです。結果として、D’-70近い遮音度を確保できました。完成後、実際にエレキベースを弾いてもらい、音の漏れ具合を体感したところ、閑静な住宅街ということもあり、外壁の近くでは小さく聞こえましたが、近隣住戸の中では聞こえないレベルと想定されます。実用上、問題ない防音性能を確保できました。

 

2. 自然光の差し込む防音窓

 

photo_10コントロール・ルームでの編集作業は部屋にこもりっきりになりがちです。小さな窓から日光が差し込むことで、不健康なイメージを払拭し、また日の当たり具合で時間が感覚的に分かるという効果もあります。
遮音本位で考えると確かに窓が無いのが理想ですが、隣家に面していないなど、窓を開ける位置の条件や、ガラスの厚さや構成を工夫するなどの技術的な対策で音漏れの影響を最小限に抑えています。
実際、部屋の印象はグッと良くなり、清水さんにも「窓を付けてもらって良かった」と喜ばれました。

 

3. 音響に配慮した部屋のプロポーション

 

photo_11確保できる部屋の大きさは決まっていますので、音響的に最適な部屋のプロポーションにするために、間口・奥行・天井高の検討を行いました。これは、音波の持つ性質上その部屋のプロポーションによって音(特に低音)にクセが出てしまうのを出来る限り避けるためです。
 
今回、コントロール・ルームは直方体にして、寸法比(間口・奥行・天井高の比率)を吟味し、低音域の定在波が顕在化しないようにしました。結果として、小さな部屋に特有のこもった感じがせず、低音の響きもクセが無くすっきりしています。
 
一方、ブースの方は、天井の高さを稼ぐために、屋根勾配なりの傾斜天井とし、アコースティック楽器の響きを活かした録音にも有利です。一番高い部分では実に3.2mもの天井高さがあります。

 

4. 残響可変リバーシブル吸音パネル

 

photo_12ブース内の壁には、反射面(無垢板張り)と吸音面(ジャージネット張り)のリバーシブルパネルとしました。使用楽器やジャンルなど、音楽ソースに合わせて、ブース内の残響時間の調整ができるようになっています。
 
残響時間の実測データを見てもその違いは歴然ですが、聴感上でもガラッと音が変わることが確認できました。
・ボーカル、コントラバス、その他アコースティック楽器 → ライブ
・ドラム、エレキベース、その他電子楽器 → デッド
というように使い分けているようです。

 

5. 多目的に使える化粧梁

 

photo_23ブースの天井には化粧梁が数本渡してあります。デザイン的なアクセントにもなっていますが、アイディア次第で様々な利用方法が考えられます。一つには、吸音材を梁の上に置いて、音響の調整に用いることができます。
また、楽器を吊るして保管する際の受け材として、あるいは、梁側面に設置したライティングダクトレールから電源を取ることも可能です。

 

6. 電源回路まわりの強化

 

photo_16清水さんはオーディオ関係にも造詣が深く、電源回路の工事が音質を大きく左右することを認識していました。
今回はご自宅の新築工事と同時にスタジオ工事が進められるという好条件のため、電源工事にも様々な工夫を施しました。
 
まず、スタジオ専用の分電盤を用意し、住宅部分の回路と分離しました。建物内のほかの部屋には様々な家電製品が存在しますが、それらの発するノイズを、根本から遠ざける効果を狙っています。

photo_17その専用分電盤から、スタジオ内の各コンセントへは合計4回路とし、用途に応じて使い分けられるようにしています。例えば、デジタル機器とアナログ機器の 回路を分けることで、お互いの影響を小さくできます。また、4回路のうち2回路は、ノイズカットトランスを介して絶縁し、さらにトランス自体が発する動作 音の侵入を回避するため、トランス本体をスタジオ外の廊下の天井裏に設置しました。
 
なお、これらの専用回路には、通常は幹線工事に用いられ、一般の屋内配線に用いられるFケーブルよりも格段に太い、CV8ケーブルを使用しました。コンセ ントも、音質向上に寄与すると言われる医療機器用コンセントや、UL規格のオーディオグレードコンセントを設置しました。
さらに、外国製の機器や後付けのトランスに対応できるよう、117Vや200Vのコンセントも装備しています。

photo_18コンセントの取り付け位置にもひと工夫あります。
外部のエンジニアや奏者が持ち込んだ機材を一時的に利用することを想定し、通常の床付近だけではなく、床から1mほどの高さにもコンセントを設けました。
 
そして極めつけは、分電盤の子ブレーカー、CV8電線、コンセント全てにクライオ処理を施していることです。これは清水さんとお付き合いのある楽器店の協力を得て実現できました。

 

7. ノイズを抑えた空調システム

 

graph_03新築工事の優位性は空調工事にも活かされています。
エアコンや換気扇などの空調システムは、スタジオにおいても必要不可欠な存在ですが、その運転音はコンデンサーマイクなどを利用したレコーディングや、集中力を要する緻密な編集作業にとっては邪魔な存在です。
 
そこで、ここでは個人ユースの自宅スタジオでありながら、商用のレコーディングスタジオと同様の空調方式を採用しました。
エアコン本体と換気扇を別室(ストックルーム)の天井裏に設置し、消音ダクトにより空気のやりとりを行うという方式です。
 
室内騒音測定の結果でも、NC-20以下の性能が得られており、アコースティック楽器の録音時などでも、エアコン・換気扇をOFFにせず作業できる環境を作ることができました。

 

8. 自然素材のインテリア

 

photo_24スタジオは清水さんが普段くつろぐ自室でもあるため、住宅部分から違和感なくつながる居住性が求められました。
 
住宅全体の施工を担当したのは、北欧系のナチュラルテイストを売りにしているハウスメーカーでしたが、床や壁に使われる素材を支給してもらい、住宅部分と共通の素材(天然木フローリングや北欧産パイン材の壁板)で、明るく温かみのある雰囲気を実現しました。
 
しかも、ただ単に内装材として使用するのではなく、例えば、壁のパイン材の板張りは、裏側に空気層を設けて吸音材を仕込み、中低音域の吸音面として音響的な役割を持たせています。

 

9. スタジオ機材用のオーダー家具

 

photo_22スタジオづくりは、ハコ(部屋)だけ作って終わり、ではありません。
機材まわりの家具も、ユーザーそれぞれの使い勝手を反映した設計とし、また部屋の雰囲気に合ったものを製作しました。
 
また、コンソールデスク前面上部の空間はデッドスペースになりがちですが、ソフトウェアや書籍などを収納する棚を造り付けました。

 

担当者のコメント

photo_07当社のスタンスは、ただ単に防音すれば良いというのではなく、また施主の要求された通りにそのまま作ればよいというのでもなく、施主の要望を見据えた上で、逆にこちらからも積極的に提案するなど、柔軟に対応をするのが当たり前だと思っています。
清水さんの場合は、色々と研究された上で、本質的なところをどんどん追求してくる方だったので、こちらもそれにとことん向き合いました。
持っているノウハウを余すところなく出し切った上で、新しいアイディアを盛り込み、ものづくりに没頭しました。
求めている方向が似ているため、相性が良かったともいえますが、良いものをつくろうという気持ちが一致していれば、自然とそれが出来上がりに結びつく良い例だと思います。

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