| クラシックなどのアコースティック楽器は「やや長めの響き」、音の大きい打楽器や電気楽器は「やや短めの響き」にするというのが定説であり、当社もそのような方向性で吸音の設計をしてきました。
しかし、多くの実例でクライアントの反応をみると、吸音による響きの調整だけで部屋の響きが左右するとはいえない気がします。 (調整は、中低音〜高音の領域しかできない)
このスタジオの特徴は、吸音パネルが少なくても低音のリズムは明瞭で歯切れがよく、中高音の反射はクリアーで、音が大きくてもうるさく感じないということにあります。
良い響きの部屋を作るには、吸音だけでない下記のような設計のポイントがあるのです。
@定在波が目立たなく自然ですっきりとした低音の響きになるように、部屋の形を決める。
※「定在波が目立たない」とは、共鳴による低音の強烈なクセがないということです。
A雑味がないクリアーでしっかりした反射音を得るために、質量があり剛性の高い床・壁・天井面を造る。
上記のようなポイントを押さえた設計をしていたので、「吸音パネルがたった2枚で良い」というスタジオになった事は、(極めてめずらしい事ではありますが)想定内の結果でした。
このようにして、ジャズドラムとクラシックピアノがほぼ満足できる演奏空間に落ち着きました。 |