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◆東京都杉並区在住のYさんのケース

建物本体は木造在来工法住宅、外壁は薄いサイディングです。
平面図からもわかる ように、隣地境界までは0.5m弱、スタジオ予定の部屋の三方は住宅、隣家の壁(窓)とは狭いところで1m以下という音響計画としては大変厳しい条件でした。
(これ以上の悪い条件はないのでは・・・?)

工事後の遮音測定の結果はD'-65〜70、工事後のちょっとした試奏では予想以上の感じだったようです。
当社では木造住宅でのスタジオ例は15例ぐらいありますが、遮音性能がD'-65 以上であればよほど条件の悪い使い方をしなければ 十分実用になり、満足されているようです。



PhotoA・PhotoB・PhotoC・PhotoD・PhotoEをクリックすると写真を見る事が出来ます。



A.E.:

スタジオが完成してほぼ1ヶ月経ち、そろそろ機材も入り始めましたが、 実際に使用された感じはいかがですか?


Yさん:

やっぱりプライベートスタジオってのは最高ですね。 機材やセッティングも自由ですし、24時間好きな時に音出せますしね。 音響に関してはデッドすぎず気持ちよく聞こえます。


A.E.:

Yさんのお住まいは、杉並区のまさに住宅地という環境にあって、ご近所ともかなり接近していますが、スタジオを持とうと決められる前に調べられたことはありますか。 たとえば遮音性能のこととか?


Yさん:

僕の場合、スタジオを作ることは絶対でしたから、住居を決める際は、まあ1階に スタジオ用の適当な広さの部屋があるか、という程度でした。 どんな条件でもスタジオは作れると思っていましたからね。 まあ、隣近所の建物からなるべく離れていた方がいいなとは思っていましたが、 そんなことは言ってられませんよ杉並区では実際。


A.E.:

Yさんはロックバンドと、サンプリング等を駆使したテクノ系の音楽とを演奏されて いるということですが、かなりの大音量を出されることもあるんでしょう?


Yさん:

音が大きければいいってもんでもないんですが、クリアな音がバランス良く出るのであれば音が大きい方がそりゃいいですよ。音やリズムに覚醒できますしね。


A.E.: お仕事の関係で、平日の使用は夜が多くなると思いますが、実際は何時頃まで使用されていますか?

Yさん:

12時ぐらいまでです。


A.E.: 遮音測定でも外壁の遮音は、D値でD'-65からD'-70という満足の行く測定結果 が出ていますが、夜遅くの使用はどのくらいの音量で演奏されますか。 測定データについて詳しくはこちらをクリック

Yさん:

今は12時以降はドラムは叩いてないです。やっぱり近所が気になりますから。 軽く叩けばいいんでしょうけどそんなのつまんないですしね。 今後は簡単なミューティング方法とかを見つけて12時以降も叩けるようにする予定です。 ベースは音量をちょっと絞って、ギター、キーボードは普段と変わりません。


A.E.: それでは使用する時間帯によって若干の音量 調整をすれば、問題なく使用できそうですね。

Yさん:

そうですね。遮音ってのは結局は環境(ご近所との関係を含む)問題だと思います。 それこそ周りにな〜んにもない場所だったら遮音なんか必要ないんですから。 僕の場合、近所がほんと隣接してますから、気を使います。 逆にご近所関係が良くなればなるほど音が出せるようになるとか(笑)。 とにかくこのスタジオにはすごく満足してます。




・現場の拝見時の第一印象
  現場を拝見してすぐに感じた事は「キビシイ」という事でした。
1番目はスタジオ予定部屋の3面とも隣家と接近している事。
2番目は外壁がサイディング貼りで,薄めのものだったので(たたくとコンコン軽い音がする)モルタル壁のような重い壁でなく、較べると不利で頼りない感じ…以上2点でした。
モルタル壁での実例と実測遮音データはソコソコ実例経験とデータのストックとしてありましたので,自信はあったのですが、この2点に関しては「ヤバイなあ・・…」という感じでした。

・遮音計画  
  同じ性能の断面であっても、隣建物と近接していると性能は悪く結果しますし、外壁を強化するとなると、3階の建物全部をしなければならないので、それは非現実的。
それでも何とかしたいという事でD'-60性能でお約束、こちらとしてはなんとかD'-65以上を目標にして設計しました。
(夜間は状況に応じて音量調節するという含みで)
窓は2面ありましたがそれは壁にしました。
したがって吸気・排気という換気システムを設置,隣の水まわりの部屋の消音装置を介して、ダクトで車庫スペース・外部につなげています。
もちろん,必要な消音量を確保した上で・・・。

・音響測定結果
  12時までは演奏できているようですね。
実は設計条件の整理の時、唯一有利な条件があったのです。
それは現場が青梅街道から100m以上離れていて静かな住宅街とはいうものの、郊外住宅地のような静けさではないということでした。
出す音量にもよりますが、12時くらいまでストレスなく演奏できるようですね。
でも近所の人が窓をあけて生活する季節帯、時間帯がわずかながらあるはずですから十分注意してください。
近隣の家が窓を閉めた状態ではほとんど聞こえない筈です。

・部屋の響きについて  
  だいぶ、おほめの言葉を聞いてコソバカユイです。
8畳の洋間で平面的に正方形ですから、低音のクセがでやすいので1畳の押入れも取入れ1部遮音壁を斜めにして、低音の定在波が立ちにくいようにしました。
壁に吸音パネルを60%以上設けましたから、平均吸音率は500Hzで0.4ぐらいは取れてるはずですからメロディーラインの音域の吸音は十分なはずですから,音がよいのは低音がスッキリしているという要素からきている点が大きいと思います。

担当 鈴木・長浜










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